気持ちが落ち込んでネガティブな気持ちになってしまうことは誰にでもあることです。
そう思っていても、どうしてもネガティブ思考でいつも暗い気持ちになってしまう。
自分は根っからのネガティブ思考でつらいという思いで苦しんでいる人もいるでしょう。
ネガティブ思考は性格だけが原因ではありません。
ネガティブ思考を改善して、やめるための方法をご紹介します。
ネガティブ思考を改善するためには「認知のゆがみ」を知ろう
ついネガティブなことを考えてしまう。
これは性格によるものと考えてしまいがちですが、実は認知のゆがみが深く関係しています。
認知のゆがみとは
認知のゆがみとは「考え方の癖」のようなものです。
認知のゆがみがあると人から何かを指摘された時に、指摘されたこと以上に自分を責めてしまったりすることがあります。
例えば仕事でミスをした時に、
上司「資料のミスがある。しっかりと確認して修正するように。」
と言われたらどう考えるでしょうか。
「ミスしてしまった…。自分は本当にダメだ…。」
と考えてしまう人もいるでしょう。
上司はミスがあったこと、確認をして修正するようにと注意をしただけです。
人格の否定はしていないのにも関わらずそう受け取ってしまう、これが「認知のゆがみ」です。
認知のゆがみのやっかいなところは無意識にこの考えが出てきてしまうこと。
自覚がないまま思考がネガティブな方向へ寄ってしまうわけです。
認知のゆがみの種類
認知のゆがみにはいくつか種類があります。自分に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
一般化のし過ぎ
過去の失敗などを根拠に「いつも~だ」という考えにとらわれてしまう。
自分への関連付け
良くないことが起きたときに自分と関係ないことまで自分に原因があるかのように考えてしまう。
根拠のない推論
根拠がないにも関わらず、否定的に考えてしまう。
感情的な決めつけ
客観的な事実ではなく、自分の感情を手がかりにして判断してしまう。
全か無か思考
白か黒かをはっきりさせたがり、極端な判断をする。
すべき思考
「~すべき」「~しなければならない」という考え方をしてしまう。
過大評価と過小評価
自分の短所や失敗を過大に捉え、長所や成功は過小に捉えてしまう。
たくさんの種類がありますが、まずは認知のゆがみに気づくことがネガティブ思考改善の第一歩になります。
認知のゆがみを修正する方法
ネガティブ思考を改善するためには自分の中に認知のゆがみがあることを意識することが大切です。
認知のゆがみは程度の差はありますが誰にでもあるものです。
認知のゆがみを客観的に見てみる
認知のゆがみは一度冷静になって、客観的に見てみることで修正ができます。
認知のゆがみは無意識に思考して生まれてしまうものです。
ネガティブ思考を生み出す認知のゆがみを客観的に見てみることで、認知のゆがみに気づくことができます。
例:上司に提出した資料にミスがあったとき
資料のミスがある。しっかりと確認して修正するように。
すみません。修正して再提出します。
あなたの認知のゆがみ
ミスするなんてやっぱり自分はダメなんだ。この前もミスしたし、自分は仕事ができないんだ…
こうしたネガティブ思考をしてしまったときは一度冷静になって客観的に考えなおします。
認知のゆがみを意識したあなた
上司はミスについて自分を否定したわけではなくて、ミスをしないように確認をしなさいと指摘しただけ。前にもミスはしたけど、ミスをせずにやりきった仕事もたくさんあるじゃないか!
このように考えることが出来ればネガティブ思考にとらわれることなく気持ちの切り替えができるようになります。
ネガティブ思考の改善には何度も繰り返すことが大切
思考のゆがみによって無意識に出てきてしまうネガティブ思考は繰り返し現れます。
ネガティブ思考を改善するにはその都度認知のゆがみを修正します。
ネガティブ思考になる度に修正を繰り返す、これがネガティブ思考の改善には大切です。
何事も対処する方法を知っていれば不安はやわらぎますよね。
ネガティブ思考も対処法がわかっていれば気持ちはとても楽になるものです。
繰り返しネガティブ思考が出てきてしまっても、くよくよと悩まずに認知のゆがみが無いかと客観的に見直してみることを繰り返してみてください。
だんだんとネガティブ思考にとらわれてしまう時間が短くなって気持ちが落ち着いてくるはずです。
ネガティブ思考になってしまう原因
仕事で契約がうまくまとまらなかったとき「ダメだった…何がいけなかったんだろう…」とクヨクヨ悩んでしまう人もいれば、「ま、しょうがないよね。次、次!」とサッと切り替えができる人もいますよね。
きっと「しょうがないよね。」と言えちゃう人というのはネガティブ思考にはならないでしょう。
ネガティブ思考の原因その1:気分一致効果
ネガティブ思考になってしまう原因の1つに人はその時の気分に引っ張られやすいというものがあります。
気持ちが落ち込んでいる時に悪いことばかり思い出してしまうのはこれが原因です。
人の記憶に関する研究結果から、人はその時の気分と一致するような記憶を再生しやすいという特性があるということが知られています。
これを「気分一致効果」といいます。
例えば仕事の契約がうまくまとまらなかったとき、「あの時もうまくいかなかったんだった…そういえばあの時も…」という過去の悪い経験ばかりを思い出してしまうことがあるでしょう。
うまくいった仕事もあるはずなのに、失敗した経験ばかりを思い出していつもこうなってしまうと思い込んでしまう傾向があることがわかっています。
ネガティブ思考のときは次々とこうした記憶がよみがえって、ネガティブな気持ちがどんどん深まってしまうということがよく見られます。
ネガティブ思考の原因その2:自己達成予言
もう一つのネガティブ思考の原因は自己達成予言です。
自己達成予言というのは自分の思い込みに基づいて行動することで、その思い込みが事実になるように仕向けてしまうこと。
ちょっとわかりにくいかもしれませんね。
例えば「自分はもしかしたらAさんに嫌われているかも」と思い込んでいるとします。こうした思い込みがあるとAさんに話しかけにくくなったり、話しかけても笑顔ではなくちょっとひきつったような顔になってしまうということがあります。
そして次第に自分から話しかける機会も減り、疎遠になってしまう。
この時、Aさんに嫌われているように自分が感じているだけであっても話しかける回数が減ったり、話しかけても硬い表情であったりと自分からAさんと疎遠になるような行動をとってしまっています。
自己達成予言によってAさんに嫌われているという思い込みを補強するように自ら行動することでさらにネガティブ思考が強まっていくということを自分自身でしてしまっていることがあります。
ネガティブ思考の原因を取り除くには
ネガティブ思考になってしまう原因は取り上げた2つ以外にもたくさんの要因がありますが、多くは自分の認知のゆがみや思い込みが原因になっています。
認知のゆがみや思い込みは無意識に出てきてしまうものなので、それ自体を出ないようにするのは難しいでしょう。
それよりもこれは認知のゆがみであるということや思い込みであるということになるべく早くに自分自身で気づくことが非常に大切です。
認知のゆがみや思い込みに気づくことが出来ればネガティブ思考に対して客観的な視点で考えやすくなります。
先ほど例にあげた「Aさんに嫌われているかも」という思い込みも客観的に考えてみることで「あの時に親切にしてもらった」とか「この時に仕事を手伝ってくれて助かった」ということを思い出すことができるかもしれません。
そうなれば「Aさんに嫌われている」というのは思い込みかもしれない、と考えることができるはずです。
それだけでもとても気持ちが楽になるはずです。
まずは客観的に考えることができるように一度冷静になって認知のゆがみや思い込みに気づくことを意識してみましょう。
1人で抱え込まずに相談しよう
ここまでネガティブ思考を改善するための方法を紹介してきました。これまでの内容は自分の中で完結する内容です。
紹介した方法を知っておくだけでもネガティブ思考の改善には役立ちますが、時には抱えているものを吐き出すこともとても大切です。
自分が思っていることや悩んでいることを誰かに相談してみるというのはストレスを解消する最良の方法です。
こんなことを話したら迷惑になってしまうのでは…?そんな風に思わずに誰かに相談してみましょう。
相談できる人がまわりにいない、そんな風に思うならこの記事もおすすめです。
周りにいる人に頼ったっていいんです。勇気を出して相談してみましょう。
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